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赤ちゃんの脳
【東京雑学研究会編】

雑学大全ヒトの不思議 > 子供

誕生したばかりの人間の赤ん坊。その姿は頼りないことこの上なしといった状態であるところが、目が見え、新しい環境に次第になれ、適応し、目を見張るばかりの成長を始める。この赤ん坊の脳、生まればかりのときは、男女とも平均して四〇〇グラムあり、体重の約一二%にあたるという。これは人間が生きるために必要な最小限度の脳である
一方、ウマやウシなど、多くの草食動物は、生まれるとすぐに立ち上がって歩き、母親の乳房を捜して、自分でお乳を飲む。やがて、走り、危険を察知し、親と同じように生きることができる。つまり、生まれた段階で、すでに脳がかなり完成した状態なのだ。
ところが、人間の場合、非常に未完成な脳を持って生まれてくる。脳の発生段階を見ると、まず脳幹ができ、妊娠二か月目で脳幹・脊髄がほとんどでき上がる。次いで、小脳が大きくなる。大脳皮質は、まだ不完全な状態だ。
生後六か月の脳の重さは、約八〇〇グラム、四~五歳で一二〇〇グラム、二〇歳でほぼ成人の重さ(一二〇〇~一五〇〇グラム)になる。
人間がウマやウシのように脳を完成させた状態で生まれてこようとすると、ほぼ一二〇〇~一五〇〇グラムの脳を持っていなくてはならない。これでは、母親の産道を通り抜けることは、とうてい無理である。人間の脳は、生まれてから大脳皮質が発達するように進化してきたのである
この進化のおかげで、人間はそれぞれ豊かな個性を獲得できたといえる。生まれてからの環境や育てられ方の違いにより、さまざまな影響を受けるからだ。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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サイズ: 26x19x4cm
発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473