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踊る大捜査線
【おどるだいそうさせん】

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 1997年1~3月にフジテレビ系列の連続ドラマで放映され、その後の映画化やスピンオフ作品も続々とヒットした刑事ドラマシリーズ作品。主演は織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里ら。所轄と本庁、キャリアノンキャリアの上下関係といった警察組織の内部事情をリアルに反映させながらも、自己保身に汲々とする湾岸署幹部をコミカルに描くなどフジテレビらしい軽妙な演出も交え、人気を博した。
 映画化第1作「踊る大捜査線 THE MOVIE」(98年)では、織田扮する主人公・青島俊作の台詞「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」は流行語になった。映画第2作「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年)は、日本の実写映画の興行収入で歴代最多の173・5億円の大ヒット。08年には警視庁お台場地区に実在の「東京湾岸署」を新設、その名称にドラマの影響が取りざたされて話題になった。シリーズ最終作として制作された映画第4作「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」が2012年9月7日に公開した。

 日本のテレビドラマで「刑事ドラマ」は定番の人気ジャンルだ。歴史を振り返ると、新人刑事の成長を青春ドラマタッチで描き、刑事たちの派手な殉職シーンで人気を博した「太陽にほえろ!」(日本テレビ系列、1972~86年)、ハリウッド映画顔負けのカースタントや爆破シーンで視聴者を魅了した石原プロ制作の「西部警察」(テレビ朝日系列、1979~84年)、横浜を舞台に二人の刑事が型破りな活躍をする「あぶない刑事」(日本テレビ系列、1986~87年)などが代表作だろう
 しかし90年代に入ると恋愛などのトレンディドラマが主流となり、ヒット作も減少傾向に。その中で「踊る大捜査線」は捜査一課の管理官といった、従来の警察・刑事ドラマで描かれなかった役柄が登場するなどリアリティーを追求し、刑事ドラマの新境地を切り開いた。
 この作品以後、他局の刑事ドラマでも警察組織の実情を反映した作品が増加。2000年に特番でスタートした「相棒」(テレビ朝日)は「踊る」とは対照的シリアスタッチながら現実の事件や世相を強く意識した作品として10年を超える長寿シリーズになっている。


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