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尖閣諸島購入問題
【せんかくしょとうこうにゅうもんだい】

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(概要)東京都の石原慎太郎知事が2012年4月16日、訪問先の米ワシントンで行った講演で、沖縄・尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島の取得に向けて地権者側と交渉を進めていることを明らかにした。日本が実効支配する尖閣諸島について中国や台湾が領有権を主張しているが、石原知事は「日本人が日本の国土を守るため」と購入の意義を強調。石原知事の表明に促される形で野田政権も国有化の可能性を表明した。石原知事は、正式取得を2013年4月の見込みとしているが、中国側は強く反発。購入予算の執行に都議会の承認を得る必要など課題も残る。

(ミニ解説)尖閣諸島は沖縄本島の約400キロ西方にあり、魚釣島、南小島、北小島、久場島、大正島の5つの島の総称。現在は沖縄県石垣市の行政区域にある。明治期から日本人が開発に乗り出し、1895年(明治28年)に日本の領土に編入した。ところが1968年の国連の海洋調査で石油や天然ガスなどの地下資源埋蔵の可能性が浮上すると、中国や台湾が領有権を主張し始めた。中国、台湾の活動家、あるいは日本の政治家政治団体が度々上陸するなど緊張が高まり、2010年9月には尖閣付近で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突する事件が起きた。
一方、魚釣島、南小島、北小島の所有権は1978年から埼玉県在住の民間人、栗原氏が取得。2002年からは国が借り上げて賃料を支払っている。栗原氏側は「個人の所有に限界がある」として国による買い上げも検討していたが、民主党政権の外交政策への不信などから実現に至らなかった。この間、栗原氏側には中国の関係者を名乗る人物が巨額の買収を持ちかけてきたが、魚釣島の灯台建設に関わるなど尖閣問題にかねてから意欲的だった石原氏が栗原氏と信頼関係を築き、買収交渉に入った。石原氏の購入表明の背景には尖閣の領有アピール強める中国への危機意識や、中国に一定の配慮をしてきた国のスタンスへの不満がある。都の購入実現には、東京から遠く離れた尖閣諸島を都民の税金で買う都政上の意義について都民や都議会の理解を得られるかがカギとなる。(執筆:村上)


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