札割れ
【ふだわれ】
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日本銀行(日銀)は、金融機関が保有している国債等を買い入れたり(日銀→金融機関に資金が流れ市場の資金量が増加する)、逆に金融機関に売却したりして(金融機関→日銀に資金が流れ市場の資金量が減少する)、市場の資金量を調節している。これを公開市場操作(オペレーション)という。
ところがこの公開市場操作を日銀の計画通りに実現できないことがある。例えば、日銀がX億円分の国債を買い取り市場に資金を供給したくても、銀行側がX億円に足る国債を売れなければ日銀の計画は実現できない。この状況を「札割れ」と呼ぶ。
日銀は、1999年からゼロ金利政策を開始。以来、市場の資金量を増やすことを目的とした「量的緩和政策」を採り続けている。しかし、金融機関の不良債権処理が峠を越し、さらに景気回復の足音が近づき企業収益が回復し始めると共に、量的緩和政策により市場に供給された資金がだぶつき始めた。
これにより金融機関が日銀の資金を従来ほど必要としなくなる状況が生じた。札割れには金融機関の日々の資金需要といった要素も絡んでいるため、その原因を一口に論じることはできないが、それでも2005年に入って札割れが頻発しはじめ問題となってきた背景に、量的緩和政策と活気を取り戻しつつある実体経済とが乖離しつつある兆候を見る向きもある。
札割れが続き、日銀の思惑通りに金融政策が機能しなくなってくれば、やがて金融政策の大きな転換点が訪れる可能性もある。札割れに対する日銀の対応に注目が集まっている。
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