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疾患解説

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食片圧入(食物が歯に挟まる)【しょくへんあつにゅう(しょくもつがはにはさまる)】
Food Impaction

[受診科] 歯科・口腔外科
受診のコツ

【症状/原因 】
 食片圧入の原因にはいろいろあります。
[1]むし歯
 歯と歯の間にむし歯ができていてそこに隙間や溝があり、物が挟まってしまい食片圧入を起こします。
[2]歯の接触不良
 歯と歯の間の接触状態が不良な場合です。つまり歯と歯の間が少し緩い状態です。詰まりやすい歯と歯の間は150〜250μm(1μm=0.001mm)といわれていますので、歯科医院で検査をしてもらうのもよいでしょう。
[3]修復物の形態不良
 比較的よくいわれるのは、隣同士の歯の辺縁の高さが違いすぎたり、歯間鼓形空隙(しかんこけいくうげき:歯と歯の接触点と歯肉の間にあるできる空隙)が大きすぎたり、逆に小さすぎたりすることなどです。
[4]歯列の不正・歯の動揺・歯周病
 これらは正常な歯と歯の接触や空隙を保つことができず、食片圧入が生じる部分を多くつくる原因となります。
 以上が食片圧入の主な原因となります。
【診断 】
 食片がいつも同じ部分に挟まってしまい、なかなか取れにくかったりそのような感じがする。また、食片が挟まった自覚がなくても歯と歯の間の歯肉が炎症を起こしたり、出血や腫脹(しゅちょう)感、臭いがしたり変な味がしたりする場合は、すぐに歯科医院を受診されることをお勧めします。かなりの確率で食片圧入が生じていることが多いと思われます。
【標準治療 】
 まずは直接的な原因である食片除去を行い、その周辺の歯肉や歯の洗浄消毒を行います。次に食片圧入を生じさせている間接的な原因を確かめてその改善を行うことです。むし歯がある場合はその処置を行い、歯の接触不良や歯の修復物の不良が原因の場合は、再治療を行って良好な修復物を装着することで再修復を行います。歯列不正は咬み合わせの調整や場合によっては歯列矯正を行います。歯周病はその治療を行い、食片圧入が起こらないような歯周組織の改善と維持を図ります。
【生活上の注意 】
 食片が挟まってしまった時に歯間ブラシやデンタルフロスを使用するのはよいことですが、力加減を誤って激しく使用しすぎて逆に歯肉の奥へ食片を押し込んでしまったり、歯肉に傷を付けてしまって歯肉炎を生じさせてしまったりすることがあります。また、ツマヨウジを使用して食片を取り除こうとする方がいらっしゃいますが、これは歯肉を傷つけたりするだけでなく、歯を磨耗させてしまい、食片圧入を起こしやすくしてしまう恐れもありますので注意が必要です。
【概要 】
 食片圧入とは、隣り合った歯と歯肉の間に食べ物の欠片、つまり食片が詰まってしまっている状態をいいます。比較的大きな食片の場合、物が挟まった感じがしてとても不快になりますから、それを除去しようと舌を歯と歯の間にもっていったり、歯ブラシやぶくぶくうがいをして取り除く努力をします。簡単に食片が取り除かれる程度であればそれほど問題ないのですが、頻繁に同じ部分に食片圧入が生じたり圧入が長期間継続され続けると、むし歯の原因になったり、歯肉などの歯周組織にダメージを与え、歯槽(しそう)骨の吸収を誘発し歯周病に移行していくため注意が必要です。また、比較的小さな食片が圧入し、不快感などの自覚症状がないままでいる状態もあります。この場合も歯周組織が慢性的にダメージを与えられ続け、歯周病へ進行していくので注意が必要です。また、その食片圧入によってその部分は不潔な状態になるため、むし歯や口臭の原因にもなります。
このページの執筆医師【土井直洋

【出典】 寺下謙三/日本医療企画
標準治療(第3版)