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疾患解説

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本態性低血圧症【ほんたいせいていけつあつしょう】
Essential Hypotension

[受診科] 心療内科・精神科
受診のコツ

【概説 】
 低血圧症は、病気として重視されていませんが、いろいろな症状があって日常生活上支障をきたし悩んでいる人も少なくありません。一般に基礎となる疾患がなく予後のよいものを本態性低血圧症、起立時に血圧が低下し立ちくらみを起こすものを起立性低血圧症と呼びます。
【症状 】
 低血圧では、様々な不定愁訴(ふていしゅうそ)がみられます。大きく分けると脳虚血症状(のうきょけつしょうじょう:めまい、失神、頭痛、頭重感、全身倦怠感、脱力感など)、循環器症状(動悸、頻脈〈ひんみゃく〉、胸部不快感など)、消化器症状(悪心〈おしん:むかつき〉、腹部不快感、食欲不振など)、および精神症状(不眠、不安、緊張、朝起き不良など)に分類されます。必ずしも血圧値と自覚症状は対応するものではなく、個人差や季節変動が大きいと考えられています。
【診断 】
 安静時の正常血圧は、収縮期100〜140mmHg、拡張期60〜90mmHgですので、低血圧は収縮期で100mmHg以下、拡張期で60mmHg以下ということになります。ただし、血圧は低くても自覚症状がない場合は、とくに低血圧症と呼ぶ必要はありません。症状があって日常生活に支障をきたしている場合に治療の対象となります。起立性低血圧症の診断は、安静仰臥位(ぎょうがい)から急に起立した場合に収縮期血圧で30mmHg以上、拡張期血圧で20mmHg以上低下するものとしています。
【標準治療 】
 低血圧の治療は、自覚症状の軽減と患者さんのQOL(quality of life=生活の質)を高めることが目標で、一般的な日常生活指導(「生活上の注意/予防」の項参照)と薬物療法があります。薬物療法としては、昇圧剤自律神経調整剤や抗不安薬が処方されます。低血圧症では、高血圧症と違って、血圧を正常域にコントロールする必要は必ずしもありません。患者の自覚症状が軽減し、日常生活に支障がなくなれば薬の服用は終了し生活療法を継続することが大切です。
●標準治療例
[1]低血圧に対して
 ・メトリジン(2mg)  1回1錠1日2回  または
 リズミック(10mg)  1回1錠1日2回
[2]不安が強い時
 ・リーゼ(5mg)  1回1錠1日3回
[3]自律神経症状の強い時
 ・グランダキシン(50mg)  1回1錠1日3回
[4]うつ症状の強い時
 ・ルジオミール(25mg)  1回1錠1日3回
【生活上の注意/予防 】
 日常生活上の注意点としては、日頃から軽い運動をすること、睡眠不足にならないようにする、心理的ストレスや疲れをためないことです。また、規則正しい生活リズムを守ることも大切です。起床直後には立ちくらみが起こりやすいので、ゆっくりと起き上がるようにするとよいでしょう。食事はとくに注意することはありませんが、栄養のあるものを十分とるようにします。
このページの執筆医師【野村忍

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【出典】 寺下謙三/日本医療企画
標準治療(第3版)