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疾患解説

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不整脈とストレス【ふせいみゃくとすとれす】
Arrhythmia And Stress

[受診科] 心療内科・精神科
受診のコツ

【概説 】
 情動ストレスと不整脈が密接に関連していることは古くから広く知られています。日常臨床の場でも、ストレスが誘因となって各種の不整脈が発症あるいは悪化することがよく経験されます。
 不整脈の直接の引き金となるストレスとしては、突然の恐怖、怒り、過労、不眠、興奮する競技の観戦などがあげられています。また、心臓は生命活動に直結する重要な臓器ですので、動悸や脈の乱れの症状はすぐに「心臓が止まって死ぬのではないか」という不安を引き起こし、さらにその不安が不整脈を悪化させるという悪循環を形成することがあります。したがって、不整脈の診療にあたっては身体的要因と同様に心理・社会的要因についても配慮するという心身両面からのアプローチが必要です。
【症状 】
 不整脈については、その種類によってごく軽症のものから重症のものまで程度が幅広く、それによって症状も異なります。軽いものでは、ドキドキする、脈が速くなる、脈がとぶという一時的なもので自然と治まります。重症のものでは、脈がくるったように速くなる、胸苦しさ、息切れ、めまいが出現し、なかなか治まらないことがあります。こういう場合は、早く専門医を受診して的確な診断や治療を受ける必要があります。
【診断 】
 不整脈の診断は、脈診でもある程度のことはわかりますが、やはり心電図検査を受ける必要があります。正常の脈は、安静時では1分間に60〜100拍で規則正しくうっているものです。それよりも脈が遅い場合を徐脈(じょみゃく)、速い場合を頻脈(ひんみゃく)といいます。時々脈がとぶものは期外収縮(きがいしゅうしゅく)、まったくばらばらな脈は心房細動(しんぼうさいどう)です。心電図ではさらに詳しい診断が可能ですが、安静時心電図に加えて、運動負荷時や24時間(ホルター)心電図を行う場合があります。また、ストレス負荷試験により不整脈が誘発されるかどうかをみる検査法もあります。主な不整脈の種類としては、以下のようなものがあります。
1)期外収縮
 ・上室性期外収縮
 ・心室性期外収縮
2)発作性頻拍(ひんぱく)
 ・発作性上室性頻拍
 ・心室頻拍
3)心房細動、心房粗動(そどう)
4)伝導障害
 ・洞房(どうぼう)ブロック
 ・房室(ぼうしつ)ブロック
【標準治療 】
 不整脈の治療は、その種類や基礎疾患の有無によって大きく異なります。基礎疾患がなく、ごく軽症の期外収縮であれば治療の必要はありません。頻拍性不整脈や高度の徐脈性不整脈、あるいは房室ブロックなどは抗不整脈薬の服用や場合によっては心臓ペースメーカーが必要になることもあります。また、心筋梗塞や心筋症などの基礎疾患があるものは、その治療も必要です。ストレス性不整脈には、抗不安薬やβ遮断薬が有効です。
●標準治療例
[1]不安が強い場合
 ・リーゼ(5mg)  1回1錠1日3回(毎食後)にロプレソール1回1錠1日3回(毎食後)を併用します。
[2]不眠が強い場合
 ・ハルシオン  0.125〜0.25mg(就寝前)。
【生活上の注意/予防 】
 過労、心理的ストレス、睡眠不足、過剰な飲酒・喫煙、生活リズムの乱れなどの不適切なライフスタイルは不整脈の発症や悪化に関係しています。日頃からストレスや疲れをためないライフスタイルを確立することが大切です。
このページの執筆医師【野村忍

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【出典】 寺下謙三/日本医療企画
標準治療(第3版)