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疾患解説

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頭痛【ずつう】
Headache

[受診科] 心療内科・精神科
受診のコツ

【概説 】
 頭痛はよくある身体的愁訴(しゅうそ)であり、誰でもよく経験するものです。慢性頭痛の大半は機能性の頭痛で、緊張型頭痛、片頭痛と両者の混合性頭痛です。その中には体質的素因(いわゆる頭痛もち)に加えて心理・社会的要因が強く影響しているものがあります。
 患者さんは、「とにかく頭痛を止めてほしい」という願望と同時に脳出血や脳腫瘍(しゅよう)などの重篤(じゅうとく)な疾患ではないかという不安をあわせもつものです。したがって、頭痛の診療においては、心身両面からのアプローチが重要な意味をもちます。
【症状/診断 】
 頭痛の診断においては、まず器質的脳疾患によるものか機能性の頭痛かを鑑別する必要があります。慢性に経過する頭痛の多くは機能性頭痛ですが、詳細な問診や必要な検査を行って器質的疾患を除外します。機能性頭痛には、主に緊張型頭痛、片頭痛、混合型頭痛に分類されています。
1)緊張型頭痛
 頭痛の性質は、頭にお椀を被ったように締めつけられるような持続的な痛みです。原因は、身体的、心理的に引き起こされる頭部筋群の過緊張によるものと考えられています。身体的な原因としては、直頸椎(ちょっけいつい:頸椎の生理的彎曲〈わんきょく〉がない)、うつむき姿勢、眼精疲労などによるものであり、心理的要因としては種々のストレスや不安・抑うつ状態によるものがあります。
2)片頭痛
 一側性(頭の半分)の拍動性のズキズキとした痛みが特徴的です。時に、光や音に対する過敏性が強く嘔吐(おうと)することもあります。原因については不明ですが、脳血管の収縮―拡張に伴って起こるとされています。心理的要因については不明ですが、神経質で緊張しやすく、不安、抑うつ傾向が認められる場合が多いとされています。また、食事性の誘発因子として、チーズに含まれるチラミン、チョコレート中のフェニルチラミン、ホットドッグ中の硝酸ナトリウムが有名です。
3)混合型頭痛
 頭痛が慢性に経過すると両者の性質をあわせもったような頭痛となります。
【標準治療 】
 頭痛の治療は、そのタイプによって大きく異なります。緊張型頭痛には、鎮痛薬、筋弛緩(きんしかん)薬、抗不安薬、抗うつ薬などの薬物療法に加えて、心理療法自律訓練法などのリラックス法が用いられます。片頭痛には、酒石酸(しゅせきさん)エルゴタミンや無水カフェイン、最近ではカルシウム拮抗(きっこう)薬などが用いられます。心理療法の効果については不明ですが、刺激を避けて安静を保つことがすすめられます。上にあげた食事性の誘発因子を控えることも重要です。
●標準治療例
[1]緊張型頭痛に対して
 ・デパス(0.5mg)  1回1錠1日3回(毎食後)
 抑うつ状態が強い場合には、ルジオミール(25mg)1回1錠1日3回(毎食後)を追加します。
[2]片頭痛に対して
 ・カフェルゴット  1回1〜2錠1日3回(毎食後)
 ・スマトリプタン(イミグラン)(50mg)  1回1錠1日屯用
 ※カフェルゴットとスマトリプタンの併用は禁忌。
【生活上の注意/予防 】
 どの頭痛にも共通していることは、暴飲暴食をつつしみ、刺激物は控え消化のよいものをとり、規則正しい生活リズムに心がけ、過労や睡眠不足を避けることなどしごく一般的な注意です。また、心理的ストレスをためこまないように、ストレス解消や相談相手をもつことも必要です。
このページの執筆医師【野村忍

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【出典】 寺下謙三/日本医療企画
標準治療(第3版)