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60歳からの人生を愉しむ心理学第1章 老朽化しない上手な年のと >

知恵のある「オールド・マン」になろう

あなたは「老い」にどのようなイメージを持っているでしょうか?
「老いの繰り言」「老いの僻耳」「老醜をさらす」「老朽化」など、「老い」というとマイナスイメージと結びついた言葉が浮かんできます。
しかし、「老」には、「老師」「老大家」「老練」「老舗」など、尊敬をもって使われる言葉も数多くあります。
英語の「オールド」も「、オールド・カー」と言えば「古い車」の意味ですが、「オールド・マン」には「知恵のある人」「先達」という尊敬の念が込められます。「老」には否定的な意味と、尊敬の両方の意味がある。そう考えると、肯定的に老いていくのか、否定的に老いていくのか、二つの道がありそうです。「老朽化」しただけの老人になるのか、知恵のある「オールド・マン」になるのか。「鬼も十八、番茶も出花」ということわざもあるように、若いときにはそれだけで魅力を発します。けれども「若さ」という魅力や美しさがなくなってきたときに「老醜」とならないためには、どうすればいいのか。
物でも、少し古くなったら捨ててしまう便利な使い捨て商品もあれば、革製品のように大切に長く愛用するほど味の出てくる物もあります。「中古品」と言えば新品の価値が失われて安くなった物ですが、「骨董品」と言えば古くなったことでさらに価値が高まった物です。
そしてもうひとつ、重要なポイントがあります。それは「老」には中立的なイメージの言葉がないことです。いいか悪いか、どちらかに分かれます。
古びてなおかつ価値がある、いや、若い頃よりさらに価値が高まる。そんな老い方ができれば、刻まれたシワも美しく見えるはずです。けれども、年をとっただけの知恵や技術、魅力を身につけていなければ、そのシワは醜いものになるのです。
誰もが美しく老い、尊敬され、大事にされる老人になりたいでしょう。そのためにはシワをなくすことより、シワが美しく見える「老い」の価値を身につけていくことこそが大切なのではないでしょうか。せめてそう心がけて生きていきたいものです。




渋谷昌三(目白大学教授)
日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授))
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 8615371


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