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スイッチOTC薬
【すいっち・おー・てぃー・しー・やく】

スイッチOTC薬

 医師発行の処方箋がないと購入できなかった医療用医薬品が、成分の有効性や安全性などに問題がないと判断されて一般の薬局でも買える市販薬に転換(スイッチ)された薬。OTCは「Over The Counter」の略で、一般薬局でカウンター越しに販売されることを指す。医療費抑制を狙い、2017年1月から所得税の軽減対象になることから脚光を浴びている。
 OTCへの転換条件は、医療用として使用実績があり、副作用の発生状況や海外での使用状況などから、一般用医薬品として適切と考えられること。薬事・食品衛生審議会での審議を経て承認される。
 1983年に解熱鎮痛剤、水虫薬などが、1997年には胃痛や胸やけ、胃もたれなどに効能を持つH2ブロッカーの「シメチジン」や「フェモチジン」、「塩酸ラニチジン」が承認された。その後、成分の効果が認められて承認された医薬品が増えている。

 所得税軽減対策として導入される制度は、スイッチOTC薬を1世帯で年間1万2000円を超えて買った場合に所得税を軽減するというもの。スイッチOTC薬を1世帯で1年間に2万円購入した場合、1万2000円を超える8000円が所得控除される。購入額は年10万円が上限。年に10万円超の医療費を使った場合に適用される医療費控除制度との併用はできず、健康診断などを受けていることも条件となる。軽い病気は一般の薬局で購入できる風邪薬や胃腸薬、目薬などで治してもらうセルフメディケーションによって医療費を抑制するのが狙い。
 これとは別に、「ダイレクトOTC薬」もある。日本での使用実績はないものの、海外で十分な実績がある場合に、審査を省略して承認されるダイレクトに承認されることから、こう呼ばれる。国内での安全性の評価に関する情報が十分でなく、他の一般医薬品よりも作用が強いことから、スイッチOTC薬とともに、規制の厳しい「第一類医薬品」に指定されている。発毛剤の「ミノキシジル」(商品名「リアップ」)と、足のむくみを改善する「アンチスタックス」、月経前症候群の症状を緩和する果実の乾燥エキス(商品名「プレフェミン」)が承認されている。(2015/12/22)




時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部)
「時事用語のABC」
JLogosID : 14425622


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