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電子レンジとIH調理器
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電子レンジもIH(アイエイチ)調理器も電気の力で煮炊きするという意味では同じだ。しかし、しくみからすると、まったくの別物である。まず電子レンジを見てみよう。電子レンジのことを英語で「Microwaveoven」というが、その英語名が示す通り、電子レンジはマイクロ波を発生させて食品を加熱している。マイクロ波とは、波長が1~10㎝くらいの電磁波をいう。電子レンジは波長4㎝くらいのマイクロ波を利用する。この電磁波は食品の中に入り、含まれる水の分子を回転させる性質がある。水分子同士が揺り動かされると、互いにこすれ合い、摩擦熱が生じる。その摩擦熱で食品が加熱されるのだ。次にIH調理器を見てみよう。IH炊飯(すいはん)器、IHクッキングヒーターなどさまざまな種類があるが、このIHとは誘導加熱(InductionHeating)の略語である。「誘導」とは電気の世界で有名な電磁誘導からきた言葉である。電磁誘導とは、磁気が変動すると電気が生まれるという自然法則だ。誘導加熱で調理するしくみを調べてみよう。装置はコイルと高周波電流発生装置からできている。このコイルに高周波(20~30キロヘルツ)の電流を流すと、電磁石の原理で磁気が作られるが、それは鉄鍋や鉄釜に吸い取られる。鉄は磁気を吸収しやすいからだ。高周波電流の作り出す磁気は大きく変動するため、「電磁誘導」が働く。鍋や釜の底や壁面で誘導電流が生じるのだ。この電流が熱を発生させるのである。誘導電流が熱を発生する原理は、ニクロム線ヒーターが熱を発生するのと同じである。このように、電子レンジやIH調理器は、電磁波や磁気を発生・吸収させて、食品や容器の内部に熱を発生させる調理器なのである。したがって、外側から食品を煮炊きする方法に比べて、調理時間が短く光熱費も節約できる。直接火を使わないので安全なことから、超高層マンションのオール電化生活を支える立役者になっている。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」涌井良幸・涌井貞美

身のまわりの「便利なモノ」にはすべて、「便利さの理由」があります。でも、私たちはそれをよく知らないまま、日々生活していることがほとんどではないでしょうか。本書は、家電からハイテク機器、身近な家庭用品まで、私たちが日頃よく使うモノに関する素朴な疑問を図解で解説。「モノ=科学技術の結晶」たる所以がこれでわかります

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
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発売日:
ISBN: 978-4-8061-4455-7