メニエール病
【めにえーるびょう】
【標準治療】 病名 > 耳鼻咽喉科
聴覚と平衡感覚のセンサーである内耳(ないじ)は、骨迷路という骨の中の空洞に、膜迷路すなわち感覚細胞からなる袋が収められた構造になっています。骨迷路と膜迷路の隙間は外リンパ(液)が、膜迷路の袋の中は内リンパ(液)が満たしています。メニエール病は膜迷路が膨張する内リンパ水腫(すいしゅ)によって、めまい、耳鳴り、難聴などの症状を繰り返す病気です。
内リンパ水腫がなぜこれらの症状を反復して引き起こすのかはいまだに明確にされておらず、また内リンパ水腫自体の原因も不明で、内リンパの吸収障害説、過剰産生説、内耳の循環障害説、ウイルス感染説、ホルモン異常説、ストレスによる自律神経失調説などの諸説があります。
「メニエール病」という病名の認知度は高く、めまいの代名詞のように使われたり、内耳性のめまいや回転性めまいを何でも「メニエールだ」と安易に判断する医者も少なくありません。これはかつて内耳に起因する突然のめまいや難聴を「メニエール症候群」と呼んだ前世紀の名残です。耳鳴りや難聴を伴わないめまいや、1回だけのめまい発作を「メニエール病」と診断するには、内リンパ水腫の証明など高度に専門的かつ慎重な診療手順が必要です。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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