外耳道炎
【がいじどうえん】
【標準治療】 病名 > 耳鼻咽喉科
外耳道(耳の穴)の皮膚に感染、炎症を起こす病気の総称で、高温多湿になる夏に多くなる傾向があります。健常な外耳道はpH(ペーハー)5の弱酸性ですが、耳に水が入ったりすると皮膚や耳垢(じこう:耳あか)がふやけることにより中性に変化して細菌感染を起こしやすくなります。
耳垢自体も酸性なので細菌、真菌(カビ)の発育を妨げていますが、過度な耳掃除による耳垢消失や綿棒、耳かき、爪で傷つけたりこすったりすることにより外耳道皮膚の防御機構が破壊されてしまい、細菌の皮膚への侵入を容易にします。実際、外耳道炎を繰り返す人に聞いてみると、多くが耳掃除を頻回に(ひどくなると1日何回も)する習慣があるようです。
このようにして、外耳道の外側1/3(軟骨部外耳道)には限局性外耳道炎、奥の2/3(骨部外耳道)にはび漫性(広汎性)外耳道炎が発症します。また、糖尿病は、細菌感染をうけやすい上に耳垢のpHが上昇するなど外耳道炎になりやすく、とくに高齢の糖尿病患者さんが緑膿菌(りょくのうきん)による外耳道炎を起こすと、その炎症が周囲に広がり、側頭骨および頭蓋(ずがい)底の骨まで壊死(えし)・破壊してしまい、髄膜(ずいまく)炎や頭蓋内血栓症を併発して死に至ることが知られており、悪性外耳道炎と呼ばれています。さらに、ガンのように免疫力が低下する疾患では同じく悪性外耳道炎や外耳道真菌症を繰り返します。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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