卵巣嚢腫
【らんそうのうしゅ】
【標準治療】 病名 > 婦人科
卵巣は、人体のうちで最も様々な種類の腫瘍ができる臓器です。広い意味での卵巣嚢腫は、液体が卵巣内にたまった「貯留嚢胞(ちょりゅうのうほう)」と呼ばれるものと、「腫瘍(しゅよう:新生物)」に分けられますが、貯留嚢胞は、数カ月以内に自然に消えることが多く、本当の卵巣嚢腫ではありません。一方、腫瘍は、嚢胞性腫瘍(中に液体のみがたまった腫瘍)と充実性腫瘍(塊〈かたまり〉があるもの)に分けられ、卵巣にできた良性の嚢胞性腫瘍を「卵巣嚢腫」と呼んでいます。卵巣嚢腫は、卵巣腫瘍全体の約80%を占めています。
主な卵巣嚢腫には、淡黄色透明のさらさらした液体が溜まった「漿液(しょうえき)性嚢胞腺腫:serous cystadenoma」、どろっとしたムチンと呼ばれる粘液が産生される「粘液性嚢胞腺腫:mucinous cystadenoma」、脂肪や歯、髪の毛などが詰まった「成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫):mature cystic teratoma」があります。また、子宮内膜症によってできる「卵巣チョコレート嚢胞:chocolate cyst」(卵巣に発生した内膜症組織から月経と同時に出血し、血液が貯留していってできるもの)も、卵巣嚢腫の1つとして扱われています。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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