妊娠悪阻
【にんしんおそ】
【標準治療】 病名 > 産科
妊娠初期にみられる悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、食欲不振、嗜好の変化は、大部分が全身状態に重大な影響を与えることなく自然治癒します。このような症状を「つわり」といい、妊婦の50~80%にみられます。しかし、これらの症状が悪化し食物摂取が困難となり、その状態が持続すると栄養障害・代謝障害をきたし、臓器障害や全身状態の悪化を招くことがあります。まれにビタミンB1欠乏により脳障害(ウェルニッケ〈Wernicke〉脳症)をきたすこともあります。食物摂取が困難となり加療を要する状態になったものを妊娠悪阻といいます。軽症のものも含めると妊婦の数%にみられます。通常は妊娠5~6週から症状が出現し、妊娠12~16週ころまでには消失します。
本症発生メカニズムの詳細は不明ですが、妊娠初期の内分泌や代謝面の急激な変化が原因となり、自律神経失調を主とする精神的心理的因子が誘因となって発生すると考えられています(図:妊娠悪阻の病態像参照)。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
|
約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
|
出版社:
標準治療[link] |