聴神経鞘腫
【ちょうしんけいしょうしゅ】
【標準治療】 病名 > 放射線科
神経鞘腫とは、神経を取り巻いて支える鞘(さや)から発生する腫瘍(しゅよう)で、脳・脊髄腫瘍の一種です。一般的に、まれな悪性神経鞘腫を除いて良性の腫瘍で、手術で完全に摘出できる場合は治癒が期待できます。腫瘍細胞の増殖速度は遅く、脳以外の他臓器に転移することは極めてまれですが、長期間経過した後に再発する場合もあります。脳にできる良性腫瘍の中では、髄膜腫(ずいまくしゅ)、下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)に次いで3番目に多い腫瘍で、悪性脳腫瘍を含めた脳腫瘍全体の約9%を占めます。毎年、わが国で250~300人に発生します。女性に多く(男性の1.6倍)、30~60歳の間に多く発生します。
脳からは12対、脊髄からは30対の神経が出ており、それぞれ頭蓋骨および脊椎骨の孔を通り抜けて、身体の各部位にいたっています。多くの場合、神経鞘腫はこれらの神経が脳・脊髄を出てから骨の孔に入るまでのわずかな場所から発生しますが、末梢神経や軟部組織にも発生します。神経鞘腫の中では、聴神経(第8脳神経)から発生する聴神経鞘腫が最も多く(70~80%)、次いで三叉(さんさ)神経、顔面神経などから発生します。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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