過敏性腸症候群(IBS)
【かびんせいちょうしょうこうぐん(あいびーえす)】
【標準治療】 病名 > 心療内科・精神科
多くの消化器疾患に心理的要因が関与していることが知られていましたが、器質的異常(目に見えるような異常)がなくても、機能性の異常によって症状が出現する消化管機能異常症は、臨床上も頻度が高く、その診断基準・分類が統一され(1999年、RomeII基準)、機能性消化管障害(functional gastrointestinal disorders:FGIDs)という概念で診断がつけられるようになりました。さらに、2006年には科学的検証も加わり、RomaIII基準が公刊されました。その中でも下部消化管の機能異常である過敏性腸症候群(IBS)は、人口の10~20%に認められ、その約10%が患者として医療機関を受診するといわれる頻度の高い疾患です。本症は、とくに思春期に好発する慢性疾患であり、壮年期を過ぎて発症することはまれなようです。
また日々のストレスで悪化しやすいことも知られています。脳腸相関といって、ストレスがかかると腸の運動だけでなく、脳波にも異常が出現したり(福土ほか、2002)、軽度ですが炎症も関与しているともいわれはじめており(サイトカインなどを通して)、こういったサイトカインが情動行動にも関与している(乾、2001)ようです。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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