白斑
【はくはん】
【標準治療】 病名 > 皮膚科
後天的に色が白くぬけてくる病気を尋常(じんじょう)性白斑(vitiligo vulgaris)といいます。俗称「しろなまず」ともいいます。単に白斑というと尋常性白斑を意味することが多いので、ここでは主に尋常性白斑について述べます。
尋常性白斑とは別に、先天的に色が白く抜けている病気があります。その代表が全身性の白皮症、部分的な白皮症(まだら症)、および生まれつきの白いあざ(脱色素性母斑)です。全身性の白皮症はメラニンをつくる経路のどこかに生まれつき異常があるため全身の皮膚が白くなっている状態で、いくつかの病型があります。部分的な白皮症は、メラニン産生細胞であるメラノサイトの運動をつかさどる遺伝子に異常があるために生じます。胎生期に、メラノサイトのもとになる細胞は神経系のもとになるところからでてきて皮膚に移動していきますが、運動する力が足りないため、おでこや臍(へそ)のように出発点から遠いところにメラノサイトが住み込めずに完全に白く抜けてしまいます。脱色素性母斑は、その部分にメラノサイトはあるものの、つくるメラニンがまわりのものとは少し異なるために不完全に白く抜けてみえます。
尋常性白斑には、神経の支配領域と関係して生じるタイプと汎発性(はんぱつせい)に生じるタイプがあります。前者は神経との関係、後者は免疫異常との関係が考えられています。免疫異常とは、自分のメラノサイトを攻撃する免疫反応、すなわち自己免疫のメカニズムという意味です。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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