低身長(小児)
【ていしんちょう(しょうに)】
【標準治療】 病名 > 小児科
低身長は文字どおり身長の低い状態を指しますが、医学的に「低身長」として扱われるのは身長の標準偏差がマイナス2SD以下の場合です。子どもは日々成長しているので、現在の年齢(何歳何カ月まで)に応じた標準値(図:標準曲線)と比較して身長の評価を行う必要があります。
低身長の原因には様々なものがあります。ホルモン分泌の異常で起こるものは成長ホルモン分泌不全性低身長(成長ホルモンの不足)、甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの不足)が代表的ですが、その他のホルモンの異常(副腎皮質ホルモンの過剰など)でも身長の伸びに変化がくることが多いので注意が必要です。このようなホルモンの異常による低身長は治療が可能ですが、低身長全体の10%前後であるにすぎません。その他の原因としては、出生時から小さく、その後の伸びも悪いもの(SGA性低身長症)、染色体異常によるもの(ターナー症候群やダウン症候群)、遺伝子の異常によるもの(プラダーウィリー症候群など)、骨系統疾患によるもの(軟骨異栄養症など)、他の慢性疾患によるもの(心臓病や腎不全など)、社会的原因によるもの(栄養失調や愛情遮断性症候群など)があります。これらのうち、一部には成長ホルモンによる治療が行われるようになりました。
最も多いのは体質的なもので、低身長の6~7割を占めており、家族的な低身長や低出生体重児の低身長、思春期の遅れによる一時的な低身長(いわゆる“おくて”)などがこれに含まれます。これは本来の意味では病気とはいえず、現在のところ成長ホルモン治療の対象となっていません。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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