手足口病(小児)
【てあしくちびょう(しょうに)】
【標準治療】 病名 > 小児科
手のひら、足の裏および口腔内に特有の水疱(すいほう)性の発疹ができる夏かぜの一種です。原因は主に腸管ウイルスであるコクサッキーA群16とその変異型およびエンテロウイルス71の感染です。まれにコクサッキーA群5、7、8、10、コクサッキーB群2と3、エコーウイルスの感染によるものもあります。このように原因ウイルスが数種類あるので、何度もかかることがあります。
感染経路は咽頭分泌物に含まれるウイルスの飛沫感染(空気感染)か、便に排泄(はいせつ)されたウイルスの経口感染です。感染が最も強いのは急性期ですが、回復後も長期(2~4週)にわたり便からウイルスが排出され、感染源となりえます。
毎年6~9月に流行し、だいたい2~3年ごとに大流行しています。最近日本では1988年、1990年、1995年に大流行しました。1997年にはマレーシアで、1998年には台湾で大流行し、心筋炎や急性脳炎などの合併症による死者も報告されました。日本でも1997年と1998年の流行時には手足口病の経過中に死亡あるいは重篤(じゅうとく)な神経症状を合併した例が多数報告されています。
最もかかりやすい年齢は1~5歳ですが、成人にも感染します。成人例では皮膚症状が強く現れることもありますが、一般に症状は年齢がすすむにつれて軽くなる傾向があります。潜伏期は3~4日くらいで、全経過は1週間程度です。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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