百日咳
【ひゃくにちぜき】
【標準治療】 病名 > 小児科
この病気は乳幼児でとくに問題となり、病態が完成されると文字どおり百日間もの長期にわたりひどい咳が持続するところから名前の由来があるようです。この病気は、百日咳菌という細菌が気管支粘膜などの気道粘膜に感染し発症します。この菌が感染すると気道粘膜が剥がれ落ち、炎症が起きて重大な損傷を受けます。その結果、痰を吐き出すことが困難になったり、ちょっとした物理的刺激で咳発作が誘発され、その咳がまた次の咳を誘発するという悪循環によって咳の重積化が起こります。咳の重積発作が長引くと呼吸困難となり、さらに低酸素状態に陥るとけいれんなどの中枢症状が出現し、それだけでなく脳細胞に重大な損傷を与えます。とくに乳児期においては生命にも関わる病気なだけに、現代の医学では三種混合ワクチンによって積極的に免疫確保を図る方針になっています。その結果、患者数の減少や重症者の軽減が得られてはいますが、いまだに外来でも患者さんはみかけますし、死亡例の報告もあります。アメリカの統計では、入院加療が82%、肺炎合併が25%、けいれん合併4%、脳症合併1%、死亡1%といった報告がでています。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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