細菌性赤痢
【さいきんせいせきり】
【標準治療】 病名 > 感染症内科
細菌性赤痢はヒトおよびサルにみられる伝染病です。患者の便で汚染された手指、食物などを介して経口感染します。原因菌は赤痢菌で、血清型によってA群赤痢菌(志賀赤痢菌=Shigella dysenteriae)、B群赤痢菌(フレクスナー赤痢菌=S.flexneri)、C群赤痢菌(ボイド赤痢菌=S.boydii)、およびD群赤痢菌(ソンネ赤痢菌=S.sonnei)の4群に分類されます。発展途上国では、A、B、C群の流行があり、わが国ではD群が70~80%を占めています。
本症は小児の疾患であり、世界的にみれば80%あまりが10歳未満の小児です。わが国では国外感染が多数を占め、そのほとんどが渡航者である青・壮年層です。推定感染国は東南アジア、南アジア、アフリカ、中南米などです。潜伏期は12時間から1週間まで幅がありますが、通常3日以内です。経口感染した赤痢菌は、大腸粘膜細胞に侵入し増殖して組織を破壊します。その結果、大腸粘膜に潰瘍(かいよう)が形成され、局所の出血、膿性滲出(しんしゅつ)液、粘液の過剰分泌などが起こります。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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