巨赤芽球性貧血/悪性貧血
【きょせきがきゅうせいひんけつ/あくせいひんけつ】
【標準治療】 病名 > 血液内科
巨赤芽球性貧血は、高度の貧血を示す患者さんが最後に神経障害を伴い死亡することから、以前は悪性貧血と呼ばれていました。現在では骨髄内の血液細胞が増殖し、赤血球が産生される過程に必要なビタミンB12や葉酸(ようさん)が欠乏するために起きる貧血であり、これらの物質を補えば治療できることが明らかになっています。赤血球が小型になる鉄欠乏性貧血と異なり、この疾患では骨髄における細胞分裂がうまくいかないために、巨大な赤芽球、赤血球を生じるため、今では巨赤芽球性貧血と呼ばれています。
小腸におけるビタミンB12の吸収には胃にある内因子という物質が必要であり、萎縮性胃炎や広範囲胃切除などで内因子が減少するとビタミンB12の吸収が低下し、巨赤芽球貧血を起こすことがあります。胃切除後に起きる巨赤芽球性貧血は、手術後5年以上経ってから出現します。また、盲管症候群(腸の一部がループ状になり、そこで細菌が増殖をする)では細菌によるビタミンB12の消費により、結果としてビタミンB12欠乏となります。アルコールは葉酸を大量に消費するため、食事を十分に摂取せず大量飲酒を続けると、葉酸欠如により同様の症状が起きます。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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