低血糖症
【ていけっとうしょう】
【標準治療】 病名 > 内分泌・代謝内科
血糖値は様々な仕組みによって60~140mg/dLに維持されています。これが何らかの異常で50~60mg/dL以下になると低血糖と呼ばれます。通常は自然に回復しますが、長時間続くと脳の機能が低下し、意識がなくなることがあります。ときに死に至ることもありますが、適切な対処により血糖値が正常化すると、脳は後遺症を残すことなく完全に元に戻ります。
原因の多くは、糖尿病に対してのインスリンや経口薬、とくにインスリンの分泌を促進するスルホニル尿素薬やグリニド系薬剤の使用によるものです。これらの薬剤が効き過ぎたためです。糖尿病であっても何も薬を使っていない場合には、低血糖はまず起こりません。
また、アルコールの飲み過ぎでも低血糖を起こすことがあります。高齢者の方で前夜、あまりつまみを食べずに大酒を飲む場合に、翌朝にみられることが多いようです。とくに、インスリンを注射している方やスルホニル尿素薬を服用中の方では、大量飲酒が重篤(じゅうとく)な低血糖を招くことがありますから注意して下さい。
これら以外にも、肝硬変や胃を切除した後の方で、食後数時間たってから起こることがあります。まれなものですが、インスリノーマと呼ばれるインスリンを産生する膵臓腫瘍(すいぞうしゅよう)が原因となることもあります。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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