副甲状腺機能亢進症
【ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう】
【標準治療】 病名 > 内分泌・代謝内科
副甲状腺は甲状腺の背面に存在する上下左右4個の小体で、大きさは米粒大~小豆大、楕円形や扁平形をしており、血中のカルシウムの値をコントロールする副甲状腺ホルモン(PTH:parathyroid hormone)の分泌を行っています。しかし、時に通常の位置とは異なった部位に存在することがあり(異所性副甲状腺)、副甲状腺の数も5~6腺存在することがあります。副甲状腺機能亢進症はこのPTHの過剰分泌によりカルシウム代謝異常をきたし、その結果、骨、腎を主として全身性に多彩な病変を起こします。
原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺に原因があるもので、病変は腺腫(せんしゅ)、過形成、ガンがあり、腺腫が80~85%と最も多く、ほとんどは単発性です。過形成は10~15%でガン腫は2~3%です。これらの中に家族性に遺伝して出現するものがあります(家族性副甲状腺機能亢進症)。2次性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺以外の原因により副甲状腺に病変が発生するものです。原因疾患は低カルシウム血症をきたす慢性腎不全、骨軟化症やビタミンD欠乏症などがありますが、臨床的には慢性腎不全による透析患者さんがほとんどです。低カルシウム血症の代償として副甲状腺ホルモンが過剰に分泌する状態になり、副甲状腺は過形成となります。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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