肥満
【ひまん】
【標準治療】 病名 > 内分泌・代謝内科
肥満は遺伝的および環境的要因によるカロリーの過剰な摂取の結果、脂肪の蓄積が増加した状態です。肥満には、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの合併症が多くみられます。肥満に伴う合併症は肥満度そのものよりも脂肪分布が重要となり、とくに内臓脂肪の蓄積に着目されます。
肥満には原因が明らかでない単純性肥満、基礎疾患などの症状として現れる2次性肥満、食行動の異常によって起こる肥満があります。肥満の大半は単純性肥満が占めています。2次性肥満には内分泌性肥満、偽性副甲状腺機能低下症、インスリノーマ、性腺機能低下症など)、遺伝性肥満(先天的)、視床下部性肥満、薬物による肥満などがあります。
近年、レプチン、PAI-1(パイワン)、アディポネクチンなど脂肪細胞から分泌される物質が明らかになっています。これらが直接、肥満合併症に関連があるといわれています。レプチンは食欲を抑えるホルモンで、肥満している人はこのホルモンがうまく働かなくなっていると考えられています。またアディポネクチンは肥満で減少し、冠動脈疾患で減少することが明らかになっています。
肥満と密接に関係がある「メタボリックシンドローム」の診断基準が定められています。メタボリックシンドロームは耐糖能異常、脂質異常症、高血圧を合併する状態です。これらのリスクの大きな原因である、内臓脂肪蓄積への対策を行うことが個々のリスクへの薬物療法を軽減し、アディポネクチンなどの分泌異常を改善し、動脈硬化性疾患の発症を減少させることにつながっていきます。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
|
約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
|
出版社:
標準治療[link] |