慢性膵炎
【まんせいすいえん】
【標準治療】 病名 > 消化器
慢性の炎症により膵組織が線維化を来し、委縮していきます。炎症により膵臓の細胞が壊れて数が減っていくのと、その修復過程で線維化が起きることが原因と思われます。膵管が狭窄・閉塞し、膵液の組成が変化して結石を作りやすくなります。炎症そのもの、結石嵌頓や膵管閉塞により高くなった膵管内圧などにより疼痛が発生します。また、膵管破綻を契機に膵液の貯留による仮性嚢胞の形成や、膵液貯留が腹腔内のみならず胸腔にも達することがあります。膵液の消化作用により、さまざまな病態が起こりえます。
さらに、急性増悪と呼ばれる急性膵炎を起こすことがしばしばあり、病期は代償期と呼ばれる内外分泌機能が保たれている時期と、非代償期と呼ばれる機能が廃絶した時期とに分けられます。
最近では「早期慢性膵炎」という概念が提唱され、ごく軽症だが症状を伴う症例が定義されるようになりました。これらの長期経過はまだよくわかっていません。慢性膵炎は膵がんをはじめ、悪性腫瘍の合併が多いことで知られています。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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