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ウイルス性肝炎
【ういるすせいかんえん】

標準治療病名 > 消化器

 現在までに肝炎ウイルスとしてA型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、G型肝炎ウイルス(HGV)、TT型肝炎ウイルス(TTV)の7種が報告されていますが、持続感染により明らかに慢性肝炎・肝硬変(かんこうへん)・肝ガンをきたすのはHBVとHCVであり、ここでは頻度の高いHAV・HBV・HCV肝炎について述べます。肝硬変についてみると、HCV感染が62%、HBV感染が15%、HBVとHCVの重感染3%、アルコール性12%で、80%はB型あるいはC型肝炎ウイルスの持続感染に起因するものです。また、わが国の原発性肝細胞ガンの80%以上がHCV感染に起因しています。

《A型肝炎》
 A型肝炎ウイルスの経口感染による急性の肝臓の炎症をいいます。潜伏期間は2~6週間、平均30日でありHAV量が多くなると短くなります。まれに劇症(げきしょう)化を示す場合もありますが、慢性化することはありません。ほとんどが1~2カ月で治癒します。原因としては牡蠣(かき)の生食がいわれています。A型肝炎患者の約70%に生牡蠣の摂取の既往があります。したがってA型肝炎は冬期に多発します。また、経口感染ですので一過性にまた局地的(例えば家庭内)に多発することも特徴的です。40歳以上では抗体をもっていることが多いため、年齢別としては20~30歳代が多いようです。

《B型肝炎》
 B型肝炎ウイルスの初感染後に発症する肝炎をB型急性肝炎といいます。HBV感染は血液を介するものであり、感染経路としては、母子感染・性行為による感染・医療従事者における針刺し事故などがあげられます。潜伏期間は1~6カ月で、劇症化を示す場合もあります。A型と異なり慢性化が問題ですが、健常成人における初感染では慢性化はほとんどみられません。

《C型肝炎》
 C型肝炎ウイルスの初感染後に発症する急性肝障害をC型急性肝炎といいます。HCV感染も血液を介するもので、感染経路は輸血や血液製剤が主でしたが、供給血液からHCV抗体をスクリーニングできるようになってからほとんどなくなりました。現在の主な感染経路としては医療従事者の針刺し事故・入れ墨・覚醒剤静脈注射の回し打ちなどがあります。潜伏期間は、30~150日、平均50日で、劇症化を示すこともあります。また、B型と異なり、健常成人における初感染でも高率に慢性化を示します。また、一旦慢性化すると自然治癒は困難であり、慢性肝炎→肝硬変→肝細胞ガンへと進展していきます。


寺下医学事務所
「標準治療」
JLogosID : 14820744


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【辞典内Top3】

併診  感冒様症状  粘稠性  

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【この辞典の書籍版説明】

「標準治療」寺下 謙三

約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。

出版社: 標準治療[link]
編集: 寺下 謙三
価格:5142
収録数: 1787疾患1565
サイズ: 21.8x15.6x6.6cm
発売日: 2006年7月
ISBN: 978-4890417162