非結核性抗酸菌症
【ひけっかくせいこうさんきんしょう】
【標準治療】 病名 > 呼吸器
結核菌に類似した性質をもっていながら毒力が弱く、重症化しにくい細菌として非結核性抗酸菌があります。この非結核性抗酸菌による呼吸器感染症です。抗酸菌の種類にはヒト結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクローシス)、ウシ型菌(マイコバクテリウム・ボビス)、ライ菌(マイコバクテリウム・レプレ)、非結核性抗酸菌(マイコバクテリウム)があります。非結核性抗酸菌は遅発育菌群、迅速発育菌群に分けられ、遅発育群はさらに3群に分けられます。
I群 光発色菌群:
この菌群のうち、人に発症するものはMycobacterium(マイコバクテリウム、以下M)kansasii(カンサシイ)と呼ばれる菌群です。毒力が強く、水系、魚類などと関連します。プール内で感染し皮膚病変をつくるとされています。しかしわが国では魚類からの感染を疑わせる症例が報告されています。
II群 暗発色菌群:
M.scrofulaceum(スクロフラセウム)という原因菌が知られています。毒力は弱く、通常は発症しません。塵肺(じんぱい)など肺基礎疾患のうえに続発することが多いといわれています。頻度は低いです。
III群 光不発色菌群:
この菌群が最も多く70%から90%以上を占めます。M.intracellulare(イントラセルラール)とM.avium(アヴィウム)が多くみられます。非結核性抗酸菌は自然環境由来と考えられ、健康な人から見つかることもあります。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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