脳腫瘍
【のうしゅよう】
【標準治療】 病名 > 脳神経
脳腫瘍は、頭蓋内(頭蓋骨の内側)に発生するすべての新生物(できもの)を総称したものです。すなわち、脳の実質のみならず脳を包む膜(髄膜〈ずいまく〉)や脳に出入りする神経など様々な部分に発生する腫瘍をすべて含めて脳腫瘍と呼んでいます。したがって、ひとことで「脳腫瘍」といってもその種類は非常に多く、実に100種類以上にも及びます。しかし日常出合う病気としてはこれらのうち、発生頻度の高い10種類余りの脳腫瘍が重要です(表1:主な脳腫瘍)。
脳の実質以外に発生するほとんどの脳腫瘍は発育するスピードが遅く、手術で全摘出できる場合も多く、生物学的にも臨床的にも良性の経過をとります。髄膜腫(ずいまくしゅ)、下垂体腺腫、神経鞘腫(しょうしゅ)、頭蓋咽頭腫などがこうした良性腫瘍に含まれます。
一方、脳の実質内に発生する腫瘍の多くは発育するスピードも早く、周りの脳にしみ込むように発育するため全摘出が困難で、生物学的にも臨床的にも悪性の経過をとる腫瘍です。多くの神経膠腫(しんけいこうしゅ:グリオーマ)、中枢神経原発悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍などが悪性腫瘍に含まれます。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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