いびきと睡眠時無呼吸症候群
【いびきとすいみんじむこきゅうしょうこうぐん】
【標準治療】 病名 > 話題の疾患
いびきは「睡眠時に起こる異常な呼吸音」と定義され、発生源は上顎(あご)の奥にある口蓋垂(こうがいすい)および軟口蓋(なんこうがい)周囲の粘膜であり、睡眠中の呼吸に伴い過剰に振動するためにあの独特な音が出ます。それはあたかも旗が強風にパタパタとはためく様子に似ています。その原因は、就寝中に鼻が詰まることによる口呼吸や、扁桃腺肥大、肥満などによる口峡部の狭小化(図1)、あるいは上気道全般の狭窄(きょうさく)です。
ところで、いびきを「かく」といいますが、国語辞典によると「かく」とは「望ましくない状態を呈すること」という意味もあるそうです。それでは、どのように望ましくないのでしょうか。いびきだけの場合、周囲の人はともかく「本人は寝ていてわからないのだからいいじゃないか」という意見があるかもしれません。しかし、気道の狭窄により音が発生するのですから、長期間いびきが続くと換気低下が起こるため、呼吸機能、ひいては血液循環機能に影響が出てきます。そして一番の問題は、「いびきをかく人の多くは睡眠時無呼吸を伴っている」ということです。実際、睡眠時無呼吸症候群により、米国では年間4万人近くが死亡しているという報告もあります。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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