嫌われる勇気
【きらわれるゆうき】
【時事用語のABC】 社会 > 社会問題
フロイト、ユングと並ぶ「心理学の3巨頭」の1人とされるオーストリア出身の心理学者アルフレッド・アドラー(1870~1937年)の「アドラー心理学」の中核をなす自己啓発のための概念。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とした上で、人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、今目的に沿って生きている。人生とはいつでも選択可能なものであり、過去につらいことがあったとしても、これからどう生きるかには関係がない」として、他人が自分をどう見ているかを意識せず前向きに生きることが大切だと提唱する。アドラー心理学はこのことから「勇気の心理学」と称されることもある。
日本ではあまり知られていなかったが、哲学者で心理学者の岸見一郎氏がライターの古賀史健氏との共著でアドラー心理学を分かりやすく紹介した「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」(ダイヤモンド社)がベストセラーとなり、それをべースにしたテレビドラマ「嫌われる勇気」が2017年1月から3月まで放映された。このドラマでは、同僚や上司からの評判や指示は気にせず事件を解決していく、組織になじまない一匹狼タイプで「嫌われる勇気」を持った女性刑事を主人公にした。
この女性刑事のキャラクター設定に対し、日本アドラー心理学会が「アドラー心理学における一般的な理解とはかなり異なっている」と指摘し、テレビ局に放送中止もしくは台本の書き換えを求めて要望書を出す一幕もあったが、ドラマは予定通り最終回まで放映された。(Ando,2017/3)
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