東京オリンピック(2020年)
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2013年9月7日(日本時間の8日早朝)IOC(国際オリンピック委員会)の総会がブエノスアイレス(南米のアルゼンチンの首都)で行われ、2020年の夏季五輪開催都市を、立候補していたイスタンブール(トルコ最大の都市)とマドリード(スペインの首都)を抑え東京に決定した。また同年オリンピック開催後、障害者を対象としたパラリンピックも行われる。
1964年アジアで初開催となった東京オリンピックから56年ぶり、夏季五輪では2度目の開催となる。冬季五輪は1972年の札幌、1998年の長野があるため、夏季冬季合わせると4回目となる。夏季五輪を2回以上開催するのはアテネ、パリ、ロサンゼルス、ロンドンに次いで世界で5都市目。
総会は毎年行われ、オリンピックに関する開催地や会長人事等を決める最高決定総会となる。夏季冬季五輪開催年は開催地で行われるため1年おきに総会で決定される。今回のブエノスアイレスの他マレーシアのクアラルンプールが立候補していた。
投票は過半数を獲得した都市に決定するが、過半数を満たさない場合は、最下位の都市を外して再投票を行う仕組み。今回のIOC総会での投票は、東京は1回目42票と最高票を獲得したが過半数に満たなかった。またイスタンブールとマドリードは26票と同票だったため最下位決定の再投票を行なった結果イスタンブールが49票と、マドリードの45票を僅差で上回った。そして2回目の決選投票では東京が60票と、イスタンブールの36票を大幅に上回り開催地に決定された。ジャック・ロゲIOC会長も圧勝と述べ東京での開催に期待を寄せた。
今回の東京オリンピックは「安心・安全・確実な五輪」をうたい、東日本大震災からの「復興五輪」を掲げて臨んでいた。福島の原発事故に関して汚染水問題等の質問で困窮する部分もあったが、総合力で圧勝した形となった。
東京は高度な交通網と良好な治安状態と、ベイエリアに建設する選手村を中心に85%の競技会場を8km圏内に集約させるコンパクトさをウリに展開したことが評価された。開会・閉会式を行う「五輪スタジアム」は国立競技場となり、1964年の東京五輪時の聖地が、新しく新国立競技場として生まれ変わる予定。建築は、世界で初めて女性として建築のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した建築家ザハ・ハディド氏がデザイン。斬新で未来的なデザインな上、今まで5.4万人収容だったものを8万人収容の全天候型スタジアムへ変貌させる。
今回の開催についての経済効果は東京都の試算では3兆円としているが、民間の調査機関からは150兆円という発表もされている。東京招致委員会は直接的な総工費を4554億円(新国立競技場に1300億、選手村に1000億、水泳会場に400億円等、ベイエリアを中心に20ヶ所程整備される)と発表しているが、関連施設などを含めると高速道路や地下鉄などの交通網整備や、ホテルなどの新築・改築など様々な投資が行われる。
東京オリンピックの開催の是非について様々な意見が出ていたが、反対派は総じて原発事故に関連する復興が先という意見を強調。未解決の汚染水問題も懸念されるが「復興五輪」をかかげて決定した今回の開催を、復興を早める足がかりとする事で盛り上げていきたい。
2020年の東京オリンピックの開催は、2020年の7月24~8月9日まで。パラリンピックは8月25日~9月6日までが予定されている。
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