てんぷら 近藤
【てんぷら こんどう】
【東京五つ星の鰻と天麩羅】 天麩羅の名店厳選52軒 > 中央区
池波正太郎の『銀座日記(全)』(平成3年刊)の中に「ここの調理主任の近藤文夫君は、まだ二十代のはじめに、このホテルの天ぷらを、ほとんど独学で揚げはじめ、苦労を重ねて今日に至った」という記述がある。〝近藤文夫君〟とはてんぷら近藤の店主、〝このホテル〟とは神田駿河台の山の上ホテルのことだ。
近藤さんは25年間、山の上ホテルの「山の上」に勤め、人気のなかった天ぷら部門を名門にまでおしあげた立役者。「そういえば料理を勉強する傍ら、セールスにもよく出かけましたよ」と、苦労の多かった時代を回想する。屋号の「近藤」の文字は、池波正太郎から届いた直筆の手紙の宛名から起こした。今も近藤さんの心の中には池波正太郎が生き続けているという。
天ぷらはオリジナルの単品が楽しい。なかでもニンジンの花火は、味良し見た目良しの絶品だ。衣の薄さ、にんじんの持ち味を生かした揚げ具合などすべてに卓越した技が光る。
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【この辞典の書籍版説明】
「東京五つ星の鰻と天麩羅」見田盛夫/選 |
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鰻の石ばし,色川,宮川,野田岩,安斎,天麩羅のみかわ,山の上,近藤,天政,中清など,都内と近県の102の老舗・名店を料理批評家・見田盛夫が厳選。 |
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出版社:
東京五つ星の鰻と天麩羅[link] |