南極と北極
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 場所
とにかく寒さに弱くて、寒いのは絶対に嫌という人が、「北極か南極、どちらかに行け」と言われたら、これは究極の選択だ。さぞかし困り果ててしまうに違いない。
でも、少しでも暖かくと思うなら、迷うことなく北極を選んだほうがいい。絶対的に北極の方が南極に比べれば暖かいからである。
北極と南極は、ともに赤道から同じ距離にあり、太陽から離れている距離も全く同じ。ともに太陽の熱をほとんど受けることはない。ということは、単純に考えれば、気温は同じであるはずだ。
しかし両者を比べてみると、その気温は以外なほどに違う。北極の冬の平均気温はマイナス四〇度で、南極はマイナス六〇度。北極は夏はプラスになることもあるが、南極の場合、最も寒いロシアのボストーク基地では、いちばん暖かい一月でもマイナス三〇度以下という寒さなのだ。
この違いは、南極が陸地なのに対し、北極が海だからである。陸地は海に比べて数倍も冷えやすく、しかも南極はそのほとんどが数千メートルもある厚い氷で覆われているので、その上空に冷たい高気圧の空気のかたまりができるから、ますます冷える。
それに対し、北極は海水が寒さを和らげてくれる上、南の方から暖流が流れてくるので、さほど冷え込まない。海水の氷結点はマイナス一・九度なので、海水の温度はそれ以下にはならないのである。
どちらにせよ寒いことには変わりがないが、両者が寒さ比べをすれば、確実に南極の勝ち! 世界でいちばん寒い場所に行きたいと思うなら、迷わずに南極を目指そう!
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【この辞典の書籍版説明】
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