鳥居②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 社会 > 宗教
日本の神社で赤が使われるのは中国の影響である。神社などで使われているのは、赤といっても黄色味がかった朱色であり、中国の寺院の伽藍には朱色が好んで使われていた。
その理由は、朱色が尊い色とされていたからで、普通の家の門でも朱色に塗ってある家は家柄の良い家だったのだ。
朱色が使われたのは、古来より赤は火に通じる色とされ、毎日必ず昇ってくる太陽の色であり、人間が流す血の色であることから、神聖な色であると同時に、悪霊が入ってくるのを防ぐ力があるとされていたからである。
これは東洋だけでなく、西洋でも同じ。原始の時代から人々は生の証として人間の血や動物の血を神々に捧げ、霊の世界や神々の世界の怒りを抑えようとしてきたのであり、やがて血の色である赤には、魔除けや開運など、呪術的な力が込められるようになったのである。
また、朱色は水銀の硫黄の化合物なので、防腐作用がある。こうした理由から神社の鳥居によく使われているのであり、日本の古墳遺跡から、朱色に塗られた埋蔵品や槍などが次々に発掘されているのも、防腐作用があるからこそ今にその姿を留めているとも言えるのだ。
中国では古来から朱の護符を厄除けとして貼る風習もあり、日本でもこの風習は真似をされていた。現代では護符は少なくなったけれど、証書や書類に朱印を押すのは、権威を示し、保証をするという意味があるからである。印鑑用の朱肉の色も、同様の意味があって使われているというわけである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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