三三九度
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 学校じゃ教えてくれない?! > 数字
日本古来の神前での結婚式では、新郎新婦が互いに飲み交わす「三三九度」の杯事は最重要儀式だ。現在は夫婦の契りのしるしとして、婚姻当事者間で一杯を三度ずつ三回飲みあう盃事をいう。これはアイサカズキ、ムスビサカズキともいい、大小三重の盃が多くもちいられている。
夫婦の契りの杯は、『古事記』の大国主命と、その妻の須勢理姫命との愛情確認の所作として、「うきゆひして、うながけりて」という表現で表されている。「うきゆひして」とは杯を交わして、男女の固い約束をすること、「うながけり」は、お互いに首に腕をかけ合うことだ。どうやら儀式としては古来にもあったようだ。
三三九度は、なんとも面倒くさい儀式だが、これにはちゃんと意味がある。
三つの杯は、それぞれ「天」「地」「人」を表しているのだ。天・地・人、それに家族・親戚・近隣がそろって、みんなでこれを祝おうということだ。
その後、三回目に酒を注いだり、三回で飲んだりするのは、古来より三はめでたい陽の数字とされていて、それを三回繰り返し、さらにめでたい陽の数字九にすることにより、めでたさの頂点を表すというわけだ。そもそも昔から三は吉数とされ、結婚式に限らず、格式ばった席では、三・三・九という数字をもってもてなすという作法があった。まず、肴と杯を出し、三つ重ねの杯で酒三杯をすすめたら膳を開く。こうした杯を三度重ねることを「三三九献」「三度三献」といった。
この風習は江戸時代に始まったものだ。一八四三(天保一四)年に書かれた伊勢貞丈の『貞丈雑記』には「ささは三三なり。くこんは九献なり。酒は三三九度のむのを祝ひとするなり」と記されている。ここで出てくる「ささ」「くこん」というのはともに酒を意味する古語だ。やはり、三という数字はめでたいのである。
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