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ソメイヨシノ
【そめいよしの】

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桜の品種名。江戸時代後期、染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋がつくった「吉野桜」(エドヒガンとオオシマサクラの交配種)が、奈良・吉野山の山桜との混同を避けるために後に「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになったというもの。明治の中頃以降、各地の沿道や河川敷、公園、学校などに植えられ、日本全国に広まった。

葉より花が先に咲き、開花が華やかであること、一斉に花が咲き一斉に散る様子が潔さと儚さを感じさせて美しいことから国民的人気がある。現在では、日本人に深く愛される桜の木の代名詞としてその圧倒的地位を確立しているといっても過言ではない。桜のなかでも、セイヨウミザクラの実(= さくらんぼ)は食べられるが、ソメイヨシノはあくまで観賞用であるため実は苦みと酸味が強く、食用に向かない。

ソメイヨシノの開花・満開は気温に大きく左右される。開花期は例年、九州・四国地方で3月下旬頃。気象庁の開花予想は1951年から2009年まで行われていたが、この観測にはソメイヨシノがつかわれていた。その後、民間気象予報会社(ウェザーニューズ、ウェザーマップ、日本気象協会)が独自の手法で予測を始め、ソメイヨシノのみを用いていた気象庁の開花予想は終了した。なお、開花「宣言」は引き続き気象庁によって行われている。東京での開花宣言の判断基準となるのは靖国神社(東京都千代田区)にある標本木であり、これはソメイヨシノである。なお開花の条件は「花が5-6輪開いた状態となったとき」とされている。

ソメイヨシノは成長が早い分寿命も短い。種子でなく人の手による接ぎ木で増やすことが、特定の病気にかかりやすくまた病害を広げやすい原因であるとの見方があり、病気に対する抵抗力がより強い品種を作ろうという試みも存在している。


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