解雇規制緩和
【かいこきせいかんわ】
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企業が従業員を解雇する上で必要なルールを緩和すること。
労働契約法では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(第16条)と規定。経営不振など会社都合で従業員を解雇する「整理解雇」については、裁判所の判例で
(1)人員整理の必要性
(2)解雇回避の努力
(3)人選の合理性
(4)手続きの妥当性――
の「4要件」を満たす必要がある。さらに裁判官の判断を待たねばならず、企業側にとっては不透明な立場に置かれる。
また、欧米と比べても厳格な規制があることで、衰退産業から成長産業へ人材の移転が進まず、日本経済の低成長につながっているとして、財界や経済学者の一部からは、一時金を一定額支払い解雇を自由にするなど規制緩和を求める意見が出るようになった。
解雇規制緩和で人材が流動化すると、社員の新陳代謝による若い世代の雇用拡大、医療や介護など労働力が不足する拡大市場への人材移転、社員を過酷な労働環境に追い立てる「ブラック企業」減少などの効果が指摘される。その一方で、人材移転を進める上で必要な職業訓練などのセーフティネットが十分に敷かれない恐れや、中小企業では既に安易な解雇が行われている実態も指摘。労働界では「雇用の流動化は、労働者の貧困化の最大の原因」(2012年12月3日、全国労働組合総連合の声明)といった反対の意見が根強い。
こうした中、政府の産業競争力会議では一部の民間議員が規制見直しを主張したものの、13年4月下旬に固まった雇用制度改革では、解雇規制の緩和は見送られた。
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