IMF・世界銀行年次総会
【あいえむえふ・せかいぎんこうねんじそうかい】
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(概要)
IMF(国際通貨基金)と世界銀行が合同で開催する会議。3年に1度、両組織の拠点である米ワシントン以外で開催する。
2012年の総会は当初、エジプトで予定されていたが、政情不安を理由に辞退され、開催地が東京に変更された。日本開催は、東京五輪が行われた1964年以来48年ぶり。東京国際フォーラムと帝国ホテルをメーン会場に10月9日~14日に開催。防災・開発に関する会合は、東日本大震災の被災地、宮城県仙台市で9、10日に開かれる。
総会には加盟188か国の財務相や中央銀行総裁、民間金融機関幹部、市民団体、メディア関係者など約2万人が集結し、国際的な経済問題を議論する場となる。欧州債務危機や失速気味の米経済のほか、勢いに陰りが出てきた中国やインド、ブラジルなど新興国経済など、世界的な景気後退の危機をどう打開するか、近年まれにみる多数の懸案を抱えての開催となる。
(解説)
2012年は日本のIMF・世銀加盟から60年目。「アラブの春」の政情不安でエジプトが開催を辞退し、日本が前年5月に代替地に名乗りを上げて開催が決まった。総会では、主要会議に加え、二国間会談や主要7か国(G7)や20か国(G20)などの会議、様々なイベントも行われ、総計すると約200の催しが期間中に開かれる。
最大の懸案事項は欧州債務危機だ。ギリシアの財政再建が十分に進んでおらず、スペインやイタリアでも財政危機が深刻になっている。
IMFトップのラガルド専務理事が「危機の震源地」と名付けるように、欧州に端を発した世界恐慌のリスクを回避し、打開策をどう打ち出すかが焦点となる。また、総会直前に領土問題で悪化した日中関係も影を落としており、中国側の関係者が総会や関連行事への一部参加を見送る動きが表面化。ラガルド氏は来日前、日中双方に「一定の寛容の精神が必要」と自制を促した。
各国の利害や思惑が絡む中で、東京の総会は「世界経済の失速を回避するため、加盟国の結束を固めるのが最優先の課題」(12年10月6日付・日本経済新聞社説)といえる。
一方、世界最大規模の国際会議とあって、開催地の東京では「一大イベント」として賑わいそうだ。会場の帝国ホテルを始めとした主要ホテルは宿泊客が急増し、飲食店、デパートなども「特需」を見込んでいる。開催地近隣の銀座では商店会や飲食店の団体が歓待イベントを開催。料亭が芸者舞踊を鑑賞できるランチサービスを提供し、地元小学校でこども歌舞伎を開催するなど日本文化のPRを意識した企画も用意される。期間中は会場付近で交通規制が行われ、帝国ホテルや東京国際フォーラム付近の道路の一部が車両通行止めとなる。
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