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シェールオイル
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地中の頁岩(けつがん、シェール)層に含まれる原油。シェールにはガス成分も含まれ、有望な地下資源として19世紀から注目されていたが、従来のガスを採掘する砂岩より硬く、かつては採掘が技術的に困難だった。しかし70年代以降、米国でシェールガスの商業生産が進展。大量の水圧でシェールに割れ目をつくり、そこから発生するガスを取り出す技術が向上した。近年は、頁岩層を水平に掘削し、水圧でシェールを破砕する採掘法が開発され、シェールガスの生産量は大きく増大している。これに伴い、シェールから取り出した石灰石を酸で溶かすなどしてオイルを採取する開発も進むようになった。日本では2012年10月3日、石油資源開発が秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」で、地下約1,800メートルの岩石からシェールオイルの採取に国内で初めて成功した。

 日本では現在、秋田でしかシェール層は発見されておらず、鮎川油ガス田のシェールオイルの推定埋蔵量は500万バレル程度と国内石油消費量の1.5日分に過ぎない。しかし石油資源の乏しい日本にとって、新たなエネルギー資源の開発や技術の経験を自国で重ねる意義は小さくない。シェールガスの開発が進む米国では、天然ガスの価格が大きく下落し、将来は輸入国から輸出国に変貌するという観測も出ている。シェールオイルは、シェールガスより採取が難しくて生産量も少ないものの、今後の開発次第では、世界のエネルギー勢力図を塗り替える可能性もある。しかし米国ではシェールガス開発地のコロラド州やオクラホマ州で近年、かつてない頻度で地震が発生している。水圧破砕での薬品注入が水質汚染を引き起こしたという批判も出ており、環境への影響が懸念されている。


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