南海トラフ地震
【なんかいとらふじしん】
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トラフとは、海底の水深が6,000メートル以内の溝(6,000メートル超は「海溝」)。南海トラフは、太平洋の静岡・駿河湾から宮崎沖・日向灘の水深約4,000メートルに存在している。マグニチュード8(M8)クラスの巨大地震が同トラフ沿いに100~150年おきに発生しており、東海、東南海、南海地震がこれに当たる。
江戸時代の宝永地震(1707年)を始め、これらが連動した巨大地震や津波が発生した史実が古文書や津波堆積物調査などから検証されている。国も以前から3地震が連動した場合の被害想定を進めてきたが、内閣府の有識者検討会は2012年8月29日、従来の想定を上回るM9.1の3連動地震が起きた場合の被害想定を発表した。「最悪」のシナリオは、在宅する人が最も多い冬場の深夜、東海地方を中心に巨大地震・津波が発生したと想定で、死者が32万3,000人、全壊・焼失が238万6,000棟に上る、とした。
今回の被害想定は、昨年3月の東日本大震災(M9.0)で「想定外」の巨大地震が起きたことを受け、国が新たに3連動地震を試算し直したものだ。03年の国の中央防災会議が宝永地震をベースにM8.8規模で3連動地震が起きた場合に2万4,700人が死亡するとした想定を大きく上回る。ただし、「あくまで千年に一度の地震と津波が起きたらという『最悪』の想定」(12年8月30日付朝日新聞社説)ではある。衝撃的な数字にたじろぐのではなく、国や自治体、住民、企業などが万一を想定し、政府が呼びかける「減災」対策を進める契機としたい。
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