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チャイニーズ・ウォール
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(概要)
 企業の内部情報を公開前に入手し、株を取引するインサイダー取引を防ぐために証券会社の内部に設けられる情報の壁のこと。
 中国の「万里の長城」になぞらえた証券業界の用語で、たとえば増資の計画など企業の内部情報を取り扱う引受部門と、投資家に対して銘柄を提案する営業部門の間にチャイニーズ・ウオールが設けられる。しかし2012年3~6月、野村証券で上場企業3社の増資情報漏れが相次いで発覚し、6月29日に公表された社内調査では、増資情報が公表前に営業部門へ頻繁に流れていたことが判明。チャイニーズ・ウオールが十分に機能していない実態が浮き彫りになった。

(解説)
 チャイニーズ・ウオールは、1989年の証券取引法改正でインサイダー取引への規制が強化され、証券界が自主規制として設定。引受部門と営業部門の間で、情報のやり取りが行われないように両部門のオフィスを切り離し、同じ証券会社の社員でも企業情報を扱う部門には立ち入りを制限するなどの措置を取ってきた。これにより、例えば営業部門の社員が増資情報を事前に入手して外部の機関投資家に漏らし、株価の下落を見込んだ投資家が株の空売りをするなどして不正な利益を上げさせることを防ぐはずだった。

 しかし2012年3月以降、野村、SMBC日興、大和の3大証券会社でインサイダー取引への関与が相次いで発覚。野村証券については機関投資家に社員が情報を漏らしていたことが明らかになり、社内調査では営業部門の部長も含めた社員が、公表前の情報取得を半ば恒常的に行っていたことや、銘柄を言わなければ増資情報を伝えても問題ないという誤った認識を持つ社員がいた実態が報告された。
 野村証券は、機関投資家に提供する情報の指針づくりや、録音機能付き携帯電話の使用などの再発防止策を打ち出したが、現行の金融証券取引法では情報を漏らすだけでは処罰されない点も不祥事の背景に挙げられている。
 市場の信頼回復に向け、チャイニーズ・ウオールの徹底といった証券業界の自主的な取り組みだけでなく、法制度のあり方も議論されそうだ


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