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発送電分離
【はっそうでんぶんり】

JLogos社会 > 社会問題

(定義)電力会社の発電事業と送電事業をそれぞれ別の会社が行うように分離すること。送電網を多数の発電業者に開放して競争を促し、電気料金引き下げにつなげるのが狙い。
(ミニ解説)日本の電力事業は、東京電力や関西電力などの大手事業者が発電網から送電網まで一体で運用してきた。送電網を大手が握る現状では消費者も電力会社を選ぶことが事実上できないため競争原理が働かず、すでに発送電分離を導入した米国や英国などと比べ、日本の電気料金は割高だ。ただし米国では2001年にカリフォルニア州で事業者破綻による大停電が発生。発送電分離導入で競争過多となり、電力供給の不安定化を招くなどの弊害も指摘されている。わが国では2000年代に入り、電力自由化論議の中で発送電分離が検討されたが、収益力低下を恐れた電力業界が抵抗。送電部門の会計を発電部門と別にする「会計分離」の導入にとどまった。しかし2011年3月の東京電力福島第一原発事故を契機に、賠償に伴う東京電力のリストラや自然エネルギー事業の参入を促す観点から発送電分離の議論が再浮上。政府では2012年1月現在、現行の「会計分離」のほか、送電網を子会社化する「法的分離」、送電網を独立系運用機関に運用させる「機能分離」、送電網を別会社に売却する「所有分離」――の各案を検討している。


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