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全頭検査
【ぜんとうけんさ】

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と蓄解体される牛すべてをBSE(牛海綿状脳症,狂牛病)検査にかける検査体制のこと。2001年9月に国内で初めてBSE感染牛が発見されたのをきっかけとして、翌月10月に日本政府が打ち出した施策で、世界でも日本以外類を見ない最も厳格な体制といえる。

しかしそもそも現在のBSE検査技術には検出限界があり、その限界値を下回るBSE感染牛を検知することができない。特に若い牛は、BSEに感染していたとしてもそれほど感染型プリオンを蓄積していないため、検査にかけても陽性(BSE感染)と判定できない可能性が高い。このためEUでは「30ヶ月齢以上の牛すべて」を検査対象とし、米国ではさらに緩く「30ヶ月齢以上の牛のうち一部(20万頭、米国で食肉処理される牛の約0.6%)」のみを検査対象としている。

いずれにせよBSE検査の精度が100%でない以上、より重要なのは、感染型プリオンが蓄積しやすい「危険部位」を、とにかく取り除いてしまうことだ。この点、日本では全頭から、EUでは12ヶ月齢以上の牛から、米国では30ヶ月齢以上の牛から危険部位を除去することになっている(危険部位がどの部分なのかという定義も日米欧で異なり、日本>EU>米国の順に多くの部位を除去している)。

しかし、危険部位以外に感染型プリオンが潜んでいる可能性ゼロではない。つまり日本の検査体制をもってしてもなお、全頭検査と危険部位除去という網の目を逃れ、感染型プリオンを含んだ食肉が出回る可能性ゼロではないのだ(もちろんその確率は極めて低い)。

それでも日本より緩い検査体制を敷く米国産牛の方が、国産牛よりBSEリスクが高いことは確か。そのため米国でBSEの発症が確認された2003年12月を機に日本は米国産牛肉の輸入をストップした。これにより米国産牛の需要が大きく減退、2005年3月にはライス国務長官が来日し、日本の検査体制は厳しすぎると米国産牛の輸入再開を促した。この外圧にどう応えるか、日本政府の対応に注目が集まっている。


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