バラスト水管理条約
【ばらすとすいかんりじょうやく】
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船舶がバランスを保つために船内に貯蔵する海水をバラスト水という。
バラスト水は船荷が空の時に港湾から取り込まれ、荷積みの際現地の港湾に排出される。この排水に、出港地の海洋生物やプランクトン・病原菌が紛れ込み、寄港地に棲む在来種に悪影響を与えることがある。
1988年に国際海事機関(IMO)でアメリカ五大湖での外来生物の調査報告がなされて以来、バラスト水問題は国際的な環境問題として注目されはじめ、2004年2月にはIMOでバラスト水管理条約が採択されるに至った。
この条約により、国際船舶に対し監督官庁(日本では国土交通省)にバラスト水管理計画を提出し承認を受けることなどが義務づけられる。しかしそうした大枠は定まったものの、肝心のバラスト水浄化方法といった技術細則は全く決まっていない状況だ。このため、日本を含めてまだ一国も同条約を批准した国はなく、同条約がその発効条件「(1)30カ国以上の締約国が批准し、(2)批准国の合計商船船腹量が世界の全商船船腹量の35%以上に達する」を今後満たすことができるかどうかも未知数だ。
全世界のバラスト水量は約30億トン、その内日本から海外へ持ち出される量は1割強を占めており、バラスト水輸出大国日本の果たすべき役割は大きい。同条約を絵に描いた餅としないためにも、日本が率先して技術開発を行うなどリーダーシップを発揮していくべきであろう。
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